「目で聴く落語」笑福亭學光独演会

2023年12月16日土曜日。大阪市北区の天満天神繁昌亭で、笑福亭學光独演会がおこなわれ、お笑い福祉士もお手伝いさせていただきました。今回の独演会は少し実験的な要素が入ったもので、「目で聴く落語」と題して、【要約筆記】と【AI音声認識】を取り入れて、耳の不自由な方にも落語を楽しんでいただこうという趣向です。なお、要約筆記は大阪府中途失聴・難聴者協会に、AI音声認識はチームW・研修センターにご協力いただきました。誠にありがとうございました。

さて、今回の独演会、舞台を客席から見ると、左の写真のようになります。要約筆記は、演者が話した言葉をパソコンに打ち込んで、演者のうしろにあるスクリーンに表示します。一方、AI(人工知能)による音声認識は、演者が話した言葉の音声をAIが認識して、それを演者の前にあるモニターテレビに表示します。

要約筆記は演者が話した言葉をその場で打ち込みます。落語のネタの部分は、あらかじめ打ち込んだものを少しづつ使っていくことができますが、どうしてもアドリブが入りますので、その場で打ち込むことが多くなります。このため、スクリーンへの表示は、少しタイミングがずれます。

一方、AI音声認識は、要約筆記と比べて、早く表示されることが多いです。ただし、認識具合によっては、誤まった言葉を表示することがあります。

今回は、要約筆記とAI音声認識を組み合わせての独演会です。

本番前。要約筆記の大阪府中途失聴・難聴者協会の4人のスタッフと、AI音声認識のチームW・研修センターのスタッフが準備に余念がありません。

残り時間が少なくなっていく中で、後ろのスクリーンの位置や、AIに認識させる音声の確認などの細かな調整が続きます。

受付では、お笑い福祉士のスタッフがご案内に奮闘していました。さあ、いよいよ開演です。

「腹話術」〜「試し酒」

要約筆記のスクリーンと、AI音声認識のモニターテレビに表示される文字を交互に読みながら、落語を楽しみます。

桂八十助さんの「狸賽」と、豊来家大治朗さんの「大神楽」

そして、「幸助餅」。いろいろと試してみた今回の独演会は、無事終了しました。

そして、打ち上げ。1時間30分があっという間に過ぎました。

 

今回、ご来場の方からのアンケートには、

「落語は聴こえづらいとあきらめていました」

「聴こえていた時は、よく落語を楽しみに行きました。こんな近くで落語を見られるとは思いませんでした」などのご感想をいただきました。

不備な点もありましたが、學光さんも、本当にやってよかったとのことでした。ありがとうございました。

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